2016年4月9日土曜日

ウェブサイト「kotonoi」をオープンしました


いつも「ヘム日記」をご覧いただき、ありがとうございます。気まぐれ更新にも関わらず、時々覗いてくださっている方々がいらっしゃることに、とても励まされておりました。本日はお知らせなのですが、このたび、かねてから製作に取り組んでいたベトナム語紹介サイト「kotonoi」をオープンする運びとなりました。


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kotonoi ~ きむらゆきのベトナム語工房
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日々の記録だけでなく、これまでも折に触れてヘム日記に掲載してきた「看板のベトナム語」シリーズや、「独立宣言」のような個人的翻訳への取り組みを、一か所により見やすい形で集約したいという気持ちから、ちょっとずつちょっとずつ、亀の歩みのように作業を進めてきたウェブサイトでしたが、ようやく皆さまに公開できるくらいまでには整えることができました。

ウェブサイトづくりは生まれて初めての試みで、ツールを使いこなすのにかなり悪戦苦闘したのですが、ウェブサイト製作に詳しい友人たちのアドバイスをいただきながらなんとかチャレンジすることができました。素人の手作り感満載で、まだまだ改良すべきポイントがたくさんあるのですが、引き続き調整していく予定ですので、温かい目で見ていただけたら幸いです。

「kotonoi」には、「言の意」という意味を込めました。ベトナム語が発するその意味に、これからも丁寧に向き合っていくことができたらと思っています。

このBloggerによるヘム日記は残しつつ、今後はkotonoi内のコンテンツ「〈新〉ヘム日記」に継続して綴っていこうと思っております(2016年3月以降の記事からkotonoiに移行しています)。またふとしたときに、覗いていただければ幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


2016年 木村友紀



2016年2月8日月曜日

バインチュンの元旦


今日はベトナムの、旧暦の元旦。あらためまして、新年おめでとうございます。

お仕事をさせていただいている専門学校では、あるクラスが授業で新年のお祝いをするとのこと。お呼ばれして教室に行ってみると… なんとお正月名物のバインチュン(Bánh chưng)が!

緑豆と豚肉を具材として、もち米でできたこの料理。ベトナム、特に北部でお正月の際に家庭で作られます。最近では日本のおせちと同様に、出来合いのものを外で買ってきて食べることも多いそうですが(蒸す時間が長く、蒸し器も必要で、家庭で作るのはなかなか大がかりだそうで)、一年でこの時期にしか食べることができない、大切な伝統料理。まさか東京で食べられるとは思わず、とっても嬉しかったです。

昨日、今日と、日本にいながらにしてベトナムのお正月をこんなに感じられるとは。私的にかなりハッピーな年始となりました。学生さんの「先生、リーシー(lì xì:お年玉)をください」も、この時期にしか聞くことのできない、楽しい台詞でした(笑)


From Hem

2016年2月7日日曜日

越谷で迎えるお正月


今日は2月7日(日)。ベトナムでは旧暦の大晦日という大切な日。

photo by Ibusuki Shoichi

友人たち、そして在日外国人の労働問題を扱っている弁護士さんたちと一緒に、埼玉県越谷市にある南和寺(Chùa Nam Hòa)を訪問してきました。建立10年のこのお寺、ベトナムの尼さんたちによるもので、同地域に暮らすベトナムの人々の拠り所となっているようです。埼玉県出身の私、前からとっても気になっている場所だったのですが、念願叶い、旧正月のタイミングでの訪問が実現しました。


11時から、尼さんによる読経がスタート。当然ながらオールベトナム語です。小さいながらも立派なお堂に、ざっと100人くらいのベトナムの人々が集まっていました。コピーされ、綺麗に製本された冊子を見ながら、お経を追いかけます。ベトナム仏教の素養がないので、なかなか理解できませんでしたが、同じ空間に佇めたことに感謝。


読経の後は、手作りのブン(米麺)(ブンリウだったのかな…精進料理でした)やチェー(ぜんざい)をいただき、お寺の庭で、爆竹や獅子舞を見ました。爆竹をこんなに間近で見たのは初めてかもしれません。ベトナムのお正月の催しには欠かせない要素のようで、皆さん「Hay quá!(すごい~!)」と盛り上がっていました。2人で1頭を操る獅子舞は、鮮やかな赤と黄色の2頭と、土地神様(Ông địa)による本格的なベトナム仕様の演舞で、こちらも大盛り上がり。一瞬、越谷にいるという事実を忘れました。

photo by Ibusuki Shoichi

その後はなんと、ベトナムらしくカラオケ大会! テト(旧正月)の歌で始まった…かと思いきや、だんだんとそれぞれの好きな歌を披露していき、途中には「なごり雪」や「乾杯」など、日本語の歌も。参加者の多くは、日本に暮らして長いベトナムの人々で、日本語もお上手でした。調子に乗って途中からカラオケに加わる我々…(笑) まるでベトナムの結婚式の一幕のようでした。

「終了時間はだいたい15時だけど、自由に帰って大丈夫ですよ」と言ってくれた尼さん。13時頃から本当に徐々に人が減り始め、14時過ぎには大分少なくなっていました。長時間、野外での催しだったので、皆さん寒さが堪えてきたのかもしれません。私たちも14時過ぎにはおいとましました。


束の間でしたが、日本にいながらにしてベトナムの旧正月を堪能できた、非常に有意義な訪問でした。こうして越谷の一角で、ベトナムの人々が自分たちの大切な行事をおこなっていることも知れ、彼らにとっての旧正月の大切さ、集いの大切さを実感しました。代々木公園で開かれるベトナムフェスティバルも悪くないけれど、日本人が抱くベトナムのイメージを集めたような作られたイベントより、今回のような催しのほうが、私はリアルなベトナムを感じられて好きだなぁと思いました。

いよいよ明日8日(月)は元旦。すべての人々にとって、健康で素敵な一年となりますように。

Chúc mừng năm mới!  新年、おめでとうございます!

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【お寺情報】
南和寺/Chùa Nam Hòa
http://www.chuanamhoa.org/

立派なベトナム語のウェブサイトがあります♪
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From Hem

2016年1月15日金曜日

バラナシへ


トランジットの上海からデリーへ。心配していたインドビザもデリーの空港で難なくクリアし、デリーで1泊した後、翌日にはすぐにガンジス河のあるバラナシへ移動。

空港待機中に食べたドーサ

バラナシの空港では、事前に予約したゲストハウスが手配してくれた送迎車のドライバーさんと待ち合わせ。自分の名前が書かれた、よれっとした紙を持つおじさんの姿を見つけてほっとしました。おじさんに導かれて車に乗るも、当然ながら土地勘が無いので、一体どこへ行くのだろうという若干の不安と、バラナシに来たという喜びと、車窓から眺める初めての土地へのワクワクとがぐちゃっと入り混じった、肩に力の入った約1時間のドライブ。車窓からの景色は、どこかベトナムやカンボジアの田舎を感じさせました。

バラナシの街角

人と物が溢れる、ゴミゴミとした繁華街で降ろされると、ホテルの従業員さんが迎えに来てくれていました。が、やはりどこへ連れていかれるのかよくわからぬまま、複雑に入り組んだ路地を颯爽と歩く従業員さんの後をついて行きます。従業員さんと、そして友人とはぐれないように気を付けながら、無我夢中でを歩くこと10分程度。この10分はとっても長く感じられて、背中のバックパックの重さも忘れるほどでした。

入り組んだ路地の一角

たどり着いたのは、予定通りのゲストハウス。東京に9年暮らしていて日本語が堪能なインド人オーナーさんのゲストハウスで、質素ながらもとても居心地のよいところでした。ここに泊まれたのが今回の旅の大きな勝因で、後にオーナーさんよりいろいろな旅情報を教えてもらえるのでした。

ゲストハウス周辺

ガンジス河まで徒歩5分程度のエリアにあるゲストハウス。迷路のような細い路地のあちこちに、商店や食堂が所狭しと並んでいます。カメラをぶら下げて散策しつつ、少しずつ土地勘をつけていきます。しかし、路地裏散歩ってなんでこんなに楽しいのでしょう。

夕飯に食べたベジタリアンカレー、奥はビリヤニ

オーナーさんにおすすめしてもらった近くのベジタリアンレストンランで、夕飯で本場のインドカレーをいただきました。これがとっても美味しくて、美味しくて。毎日カレーで飽きちゃうかなぁ?という心配は一気に吹き飛びました。

翌日はいよいよガンジス河を堪能しに行きます。


From Hem

2016年1月13日水曜日

トランジット上海、街歩き


寒くてたまらない今日この頃の東京。いよいよ本格的に寒さ到来。なるべく冷暖房には頼らずに丈夫な体を作りたい私ですが、ついに自室の暖房をポチっとしてしまいました…。

さて、あいかわらずスローペースな更新ですが、インド旅。

の前に、22時間滞在した上海の様子をちらり。前述の通り予約していたホテルになかなか辿り着けないというプチハプニングがあったため、思いのほか時間がなくなってしまったのですが、それでも着いた日とその翌日、ホテル周辺をブラブラ歩いてみました。


当たり前ですが、漢字漢字漢字…!こう漢字だけが並ぶと圧巻です。これまでもトランジットでは何度も上海には行ったのですが、今回ほど漢字の力強さを感じたのは初めて。私が最近中国語に注目しているので、情報をキャッチしているのかもしれませんが…(実は本気で中国語を勉強しようかと思っているこの頃なのです。ベトナム語のルーツとして、色々探りたく)。


こんな漢字の並びも、見ていてとっても楽しかったです。ああ、きっと「小心」が注意!という意味なんだろうなぁと、想像が膨らみます。


22時にはメインタワーが消灯してしまった外灘でしたが、高層ビル群の夜景はちゃっかり堪能してきました。観光客や地元の人でとっても賑わっていました。


翌朝は、空港に行く時間までやはり街歩き&食べ歩き。古いアパートと街路樹は、私のなかでパッと思い浮かぶ上海の特徴的な一場面。


高層ビルが並ぶ一方で、こうして出会えるいくつもの路地。ベトナム・ハノイの旧市街を彷彿とさせます。


朝ごはんにと立ち寄った屋台。ナンをうす~くしたような生地に、お肉や海藻っぽいものを入れて巻いたもの。名前もわからないけれど(そして写真も撮り忘れたけれど)、とっても美味しく満足でした。ここでもやっぱりベトナムのバインミーを想い出してしまう私。


屋台のおじさん。英語は全然通じなかったけど、身振り手振りでやさしく会話してくれました。


床屋さんのポールが白黒で、ちょっと驚いたり、


街角の古本屋さんが気になったり。


そんでもって、なんと文房具屋さんにはベトナムでもよく見られる手作りの飛び出すカードが!これは中国の影響だったの?!、はたまはベトナムからの輸入品?! 謎は解けませんでしたが、前者かなぁと思いつつ、私的大発見でした。


コーヒースタンドで注文したアメリカンが、英語の下に「美式珈琲」と書いてあり、やっぱりアメリカは「美」なんだ!というのも初めて目で確認でき、中国語熱がフツフツ…(ベトナム語でも中国の影響でアメリカをMỹ(美)と言うのです)。

わずかな上海滞在でしたが、色々と面白いものに出会えました。トランジットではなくまたゆっくり来たいなぁと思いながら、いよいよ、デリーへ向けて出発です。


From Hem


2016年1月3日日曜日

インドへ!



年末年始を利用してインドに行ってまいりました。

念願の、憧れのインド。いつか一度は行ってみたかった。まわりに行ってきた人も多かったので、話はよく聞いていて、でも感想は本当に十人十色。私のなかでなんとなくイメージができつつも、それはふわふわしていて固まらず。変に固まってしまう前に、自分の目で見てみたい…という長年の願いが、ようやく叶いました。

私にとって旅は「確かめるもの」かもしれないという考えが、ここ数年生まれていました。メディアでよく聞く、友人たちから聞く、ある土地の、ある人々… それらが本当に存在することを確かめる。自分がどう感じるかを確かめる。インドのことも、確かめたくてしょうがなくなってきていた頃でした。

よいタイミングで一緒に行きたいと言ってくれた友人がいて、これはもう、まさに行き時!ベトナムにいた頃に行った方が明らかに近かったですが(笑)、今だから行けたのだと思います。友人には本当に感謝。


中国東方航空で、羽田発、上海経由でデリーへ。

当日、羽田は別便の欠航でチェックインに大行列。22時間トランジットの上海では、前もって予約していたホテルの地図(Google Map)がまさかの間違いでなかなか辿りつけないというハプニングもあり(人に聞きまくり、2時間近く歩き回りました…)。やっとの思いで到着したホテルではレセプションで急にデポジットを要求されたり、なんとか夜景を見に行こうと出かけた外灘では、到着寸前でメインタワーが消灯したり(22時消灯だったみたい)。デリーに着くまでに予想外の出来事が続出しましたが、この「うまくいかない感」がなんとも楽しい、妙な高揚感を伴う出だしでした。


記憶が新鮮なうちに、インド旅の備忘録、綴ってみたいと思います。


From Hem