2014年3月27日木曜日

ブックフェアがやってきた!


今朝は、毎年この時期に1区のレバンタム公園で開催される「ホーチミン市ブックフェア」に行ってきた。今年で8回目となるこのフェアは、数あるブックフェアの中でもホーチミン市で最大規模を誇り、ベトナムの各出版社や書店がそれぞれにブースを構え、特別価格で販売する。開催中の前期は定価から20%オフ、後期になるとさらに安くなるらしい。


ハイ・バー・チュン通り側の正面入り口。
平日の午前中だというのに駐輪場には溢れんばかりのバイクが並び、大盛況。

 

それぞれのブースに所狭しと並ぶ本。
熱心に品定めをする大学生風のお客さんが多かった。


"Giảm 20%" (20%オフ)の文字がきらり。


こちらには"Giảm giá từ 20%" (20%オフ~)の文字も。


おなじみ「FAHASA」のブースにはグエン・ニャット・アインの作品も並ぶ。


なかでも大盛況(そして大音響)だったのは、こちらのブース。
TIKI.VNという書籍の通販サイトによるブースのようだ
書店ではめずらしい紙袋使用。

 

別のブースには、こんな「本の自動販売機」も…。戸惑うお客さん続出(汗)

 

目をひいたのは、昨年亡くなったばかりのヴォー・グエン・ザップ将軍を忍び、その生涯や功績を紹介した多くの書籍。こちらのパネルは、そのうちの一冊、「ヴォー・グエン・ザップ将軍・総司令官」という作品を模ったもの。Đại tướngが「将軍」、 Tổng tư lệnhが「総司令官」を表す。


同じパネルの裏にはこちら、「私の心のなかのヴォー・グエン・ザップ将軍」という一冊。Trong=中、Trái tim=心、Tôi=私、である。


さらに歴史関係のコーナーには、Sách về Hoàng Sa - Trường Sa(西沙諸島・南沙諸島に関する書籍)と題された棚も。中国との領有権争いに揺れるベトナム、一昨年頃から一気に関係書籍が増えている。


しかし1時間もフラフラすると、さすがに暑い。こちらは現在乾季の真っただ中。これから4月に向けての猛烈な暑さは避けては通れないから当然だよね…と思っていたら、ブースとブースの隙間にはNước uống miễn phí! (飲み水無料!)のコーナーが。敷地内には特設カフェも出ていて、ゆっくり休める。これ、大切。

 

さて、汗を流して歩き回った、私の今日の戦利品。

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【上段】
(左)Bản đồ du lịch Thành phố Hồ Chí Minh
「ホーチミン市観光地図」 4月からのH大学の授業で利用予定!

(中央)Nhật ký Đặng Thuỳ Trâm
 「トゥイーの日記」のタイトルで日本語にも翻訳されている本の原典。

(右)Ca Dao Dân Ca Việt Nam (tập 1/tập 2)
 「ベトナムのカーザオとザンカー」(第1巻/第2巻)
ベトナムの伝統的な歌謡・民謡の詩を紹介したもの。

【下段】
いずれもグエン・ニャット・アインの作品で、

(左)Thiên thần nhỏ của tôi 「私の小さな精神→「私の小さな天使」
※ Thiên thần は「精神」ではなく「天使」でした。 ちなみに「精神」はTinh thần。
不注意で、大変失礼しました。(4月18日訂正)

(中央)Mắt biếc 「つぶらな瞳」
加藤栄さん訳で日本語版も出版されている。

(右)Chúc một ngày tốt lành 「どうぞよい一日を」
最後のタイトルは児童文学作品を中心とするアイン氏の最新刊。
年に何度も出版し、とても精力的に執筆活動をしている作家さんだ。

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ブックフェアに行くと毎年思うことがある。

ベトナムの人々は、漢字が公式の文字とされていた昔から多くの文学を創作してきた。その頃漢字はお役人や有識者だけのものだったけれど、詩歌を重んじる歴史は引き継がれ、文字がクオックグー(現在のアルファベット表記のベトナム語)となり一般庶民に普及された後にも、多くの文学が創作、出版され、購入、読書されている。いまこの現在も、日々の営みのなかに書籍が自然に、あたりまえのものとして取り入れている。文学に限らず、街で新聞片手にコーヒーを飲む人々の多いこと。その姿を見るたびに思い出す、カンボジアの友人のことば。彼女が初めてホーチミンに来た時に驚いてに発した、「ベトナムには、ベトナム語が溢れていますね」ということば。

私はひとりの外国人学習者だけれど、ベトナムの人々が長い歴史のなかでを大切にしてきたその言葉たちを学んでいる。言葉を通してベトナムのことがもっと知りたいと願っている。話せたらいいな、聞けたらいいな、という気持ちばかりの時期もあったけれど、いまは「読めたらいいな」。ベトナム語の文学作品を丁寧に読むことが、いまの自分の課題だと思う。

今日の戦利品たちも、読み終えるのにはきっと膨大な時間がかかるだろう。それでもなんとか最後まで読み通してみようと、ここに決意。

 

学生のほかに、おじさんたちの姿もよく見かけた。今日はとっても楽しかった。

From Hem


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イベント情報
Hội sách Thành phố Hồ Chí Mình Lần Thứ VIII -2014  Sách - Văn hoá và Phất triển
「第8回ホーチミン市ブックフェア2014 本―文化と発展」

会場:Công viên Lê VănTám(レバンタム公園)
1区Võ Thị Sáu通りとHai Bà Trưng通りのコーナーに位置する。
期間:2014年3月24日(月)~30日(日)
入場無料・駐輪場は有料
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2014年3月22日土曜日

初めての「ぶんっ びっ」


ご近所のHちゃんと久々の再会。Hちゃんはヨガ教室で知り合った日系企業勤務の女の子で、日本語も堪能。おうちに遊びに行かせてもらったり、バインダークア屋さんを教えてもらったり、とてもお世話になっている。

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バインダークアについての記事はこちら↓
http://nhatkytronghem.blogspot.com/2013/08/blog-post_15.html
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そんなHちゃんが再び馴染みのお店を教えてくれた。どんな場所?と聞くと、

「市場の…いえ、本当は市場じゃないんですけど…その中に朝だけ出る店で、『ぶんっ びっ』が食べられます。」

ぶんっ びっ… ぶんっ びっ?
ああ、 Bún Vịt! アヒル肉のせブン?? 食べたことない!

初めての料理に心躍らせながらバイクで連れて行ってもらうと…


細いヘム(路地裏)の合間の開けた場所に、ぺたんと座りこんで野菜を販売する人々。確かに市場のような集いの場ではあるけれど、建物のある市場ではない。この日は満潮の影響でなんと水浸しに。だけど皆はおかまいなく、バイクでバンバン通り抜ける。


この「市場」の一角に店を構える店が、私たちのお目当て。土曜日の朝、入れ替わり立ち替わりお客さんがやってくるので、常に満席状態。地元の人は、本当に美味しい店をよく知っているのだなぁとつくづく感心。

 

おばちゃんに注文し、作ってもらう。メニューは一つしかなかったけれど、多少は具材を自分で選べるようだ。


で、こちらがそのBún Vịt。

牛肉も合わせてのっけてくれていたので、厳密にはBún Vịt Bò(アヒル肉と牛肉のせブン)ということになるのかもしれない。フォーと同じく山盛りの香草をお好みで加えながら食べる。やや薄味なので、刻み生姜・唐辛子・砂糖を加えた薄めのヌックマム(魚醤・写真左下)で味を調節しながら。付け合わせとして、アヒルの血を固めたものも一緒に注文(写真左上)。

場所のインパクトも加わって、ちょっとドキドキしてたこの料理、見た目の脂っこさとは裏腹にとってもさっぱりしていてとっても美味。また一つ、好きな料理が増えた。

やっぱり地元の人の味覚はすごい。今日もとっても頼りになるHちゃんだった。

From Hem

2014年3月17日月曜日

クチへ 1 Day Trip②~「モッ・トアン・ベトナム」


クチの友人宅から車で15分くらい走ったところに、 Một thoáng Việt Namという名前のテーマパークがあるので遊びに行った。

「モッ・トアン・ベトナム」というこの名は、日本語にするのがとっても難しい。Một thoángには「(奥深いところまで入りこむことなく)表面をさらっと通り抜けただけにも関わらず、その思い出がよく記憶のなかに残る」ことを表すらしい。たとえば数日間の短い旅のことを言ったり、ある場所や国のことを知ることができる博物館、イベントなどのタイトルに使われる言葉のよう。


ぴたりと来る日本語がまだ思いつかないけれど、その名の通り、このテーマパークではベトナムの古代から現代までの歴史を展示物で表現したり、ベトナムという国のなかに住む多数の民族を紹介したりしている。テーマパークというよりは、ミュージアムに近い施設だ。


入り口には詩人による国とその歴史を想う詩の抜粋や…


蓮の花をかたどったオブジェが置かれている。


敷地内を進むと、古代からの歴史を紹介する展示コーナーがあったり…


竹の楽器が並べられ、水の力で引っ張られポロンポロンと音を奏てるコーナーも。
これはとっても見事で美しい音色だった。やっぱり竹っていいなぁ。


それぞれの民族による伝統的な住宅様式な食事風景が紹介されていたり、


高いところからしか気づけない、ベトナム国土の描かれた池があったり。


体験コーナーでは、陶器づくりと紙すきが体験できるようになっていた。 


「モッ・トアン・ベトナム」にふさわしくあちこちに工夫が凝らされているのは感じたけれど、残念だったのは猛烈な暑さでゆっくり鑑賞する気持ちになれないことと、おそらくそれによりお客さんが全くいなかったこと…。まだまだ有名な施設じゃないらしく、日曜の昼間とは思えない殺風景さ。クチトンネルからも近いから、今後は地元の人や観光客も立ち寄れるような、そんな場所になったらよいのだけど…。うーむ。どうかなぁ。

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施設情報
Khu du lịch Một thoáng Việt Nam (テーマパーク『モッ・トアン・ベトナム』)
Add: Ấp Phú Bình, Xã Ân Phú, Huyện Củ Chi, TP.HCM
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From Hem

2014年3月16日日曜日

クチへ 1 Day Trip①~風の通り抜けるおうち


日本留学中でベトナムに里帰りをしていたTちゃんとクチ(Củ Chi)へ行ってきた。
クチは彼女の父方の実家。おばあちゃんちに行くのに、参加をさせてもらったのだ。


そのおばあちゃんちは、不思議な建築様式だった。「壁のない家」。昔はこういうタイプの家がこの地域には多かったらしいが、いまでもあえてそのような様式で建てている家は少ないだろう。一年中暑いこの地域だからこその作り。寝室はさすがに室内に壁を伴って建てられていたけれど…


ダイニングはこのように、やっぱり屋外。ここでいただいた料理は、美味しかったぁ。


留学中の孫であるTちゃんが帰ってくるということで、ご馳走。ご近所さんから鶏を一羽もらってきて、食べる直前にさばく。首に包丁をいれてさばく様子を見たのは、これで二回目。命をいただくってこういうことだ…というのを実感する瞬間だ。


家の敷地内にはヤシの木も、ころり。


エアコンもないけれど、昼寝どきにはゆっくり屋根の下で休む。
扇風機の風が気持ちのよく通り抜ける、そんなおうち。

(1 Day Trip続きます)


From Hem

2014年3月13日木曜日

フォーめぐり


最近見つけた二つのフォー屋を。

ひとつ目は、ビデスコタワーのふもとに位置する「Pho Ha」。


夕方17時からしか出ない、道端・屋台系。
しかし、17時になると同時にお客さんが押し寄せる人気店。


テーブルや食器はとても清潔で、うれしい安心感あり。


さっぱり味のフォー・ガー(鶏肉のフォー)。透き通ったスープが特徴。
野菜たっぷりなどんぶりに、さらに手でちぎった香草たちを加える。
これで一杯5万ドン(約250円)。ちょいと高めなのは立地かな。
お持ち帰りにしたソイ・ガー(鶏肉のせおこわ)も美味だった。


ビテスコタワーのふもと。こんな風に見上げるのは初めて。
通りをはさんで、あちらにタワー、こちらは屋台…
サイゴンの街の混沌の、一端を感じる場所でもある。

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お店情報
Phở Hà - 31, Hải Triều, P. Bến Nghé, Q.1, TP.HCM
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ふたつ目は、味も雰囲気も異なる「Pho Thin Ha Noi」。


3区、Nguyen Dinh Chieu通りのコープマートのすぐ隣。
ベトナム語グルメサイトの「Foody」で評価の高い店らしい。


小さなハノイの旧市街の小さな通りを思わせる店内。
奥にはPhố nhỏ (小道)の文字も。


評価が高いだけあって、お昼時には地元のお客さんでほぼ満席。


私が注文したのはPhở đặc biệt =「スペシャル・フォー」。
濃いスープに牛肉をたっぷりのせた、フォー・ボー(牛肉のフォー)だ。


7万ドン(約350円)と値段が張る分、量も多くて大満足。
いろいろ試してみたくなる豊富な品ぞろえ。

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お店情報
Phở Thìn Hà Nội - 170, Nguyễn Đình Chiểu, P.6, Q.3, TP.HCM
Foodyのレビューは http://www.foody.vn/ho-chi-minh/pho-thin
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フォーの味は店によって全く違うもの。
ベトナムにいる間に、お気に入りの店を見つけたい!


From Hem