2013年8月17日土曜日

ハノイへの旅③~しあわせの水玉

今回ハノイに来たのは、草間彌生さんの個展を見たくて。

「草間彌生:オブセッションズ」という名のその展覧会は日越友好40周年を記念したイベントの一つで、国際交流基金のセンターで行われていた。土日だったということもあって、たくさんの人が見に来ていた。






見た途端に、うわー!とはしゃぎたくなる水玉。そんなに大きくない部屋なのに、壁の大部分が鏡で覆われているから、どこまでも水玉が広がっていて、立ち位置一つで見え方も変わる。まさに、"無限の水玉"。


こちらは、お隣の部屋。蛍光の水玉。


庭に置かれた立体も。


警備員さんの部屋まで!




いちばんいいなぁと思ったのは、地元の若者たちがとっても楽しそうに写真を撮り合っていたこと。 友達と。恋人と。家族と。何度も何度も。

鏡を使っていろんな角度からおもしろ写真が撮れるもんだから、飽きることなく、みんな、部屋の滞在時間が長い。こんな風に地元の人たちに楽しんでもらえたら、作り手はうれしいんじゃないだろうか…と勝手に考えていた。(もっと年配の人たちは、どう感じるのかなとも気になるけど。)

今回のハノイでの開催によせて、草間さんは次のような手紙を送っている。配布はベトナム語版と英語版のみだったので、ベトナム語を日本語に訳しなおすという、ちょっと奇妙な作業をする(こんなに翻訳を介してはもはや草間さんの言葉ではないように思えて不安ですが… 一部のみ掲載)。

 
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 これまでの人生、そして現在もなお、私はアーティストとして日々奮闘しております。無限なる水玉は思想や哲学を、また私がこの生涯に残してゆく生のエネルギーを届ける声であります。こんにち、世界では迫害、殺人、戦争が起こり、多くの人々が苦しんでいますが、私は芸術を通して「永遠の愛」というメッセージを世界に伝えたいのです。みなさま、どうか共に愛をうたい、世界の幸福を祈りましょう。
 私の作品は、幸福な魂を内に深く秘めて誕生しています。世界により幸福を、寛大さを、平和を与える一助となるように。いま、私の最大の願いは、愛と平和に満ちたハノイにて、私の作品が芸術を愛する人々の元へ届けられることであります。もしみなさまが私の作品を通じて何かを、また作品の発するメッセージを感じて下されば、私にとってこれ以上の感動と幸せはございません。幸福への希求と共に、ベトナムと首都ハノイのさらなる発展をお祈りいたします。
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短いハノイ滞在で2回見に行った。見る人を楽しませてくれる素敵な個展だった。



個展の詳細はこちら。
http://jpf.org.vn/jp/2013/05/14/yayoi-kusama-obsessions/


From Hem

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