谷川俊太郎さんの「連詩朗読会」というイベントに行ってきた。
日本で何か面白そうな催しがないかなと思った矢先、
たまたま谷川さんのホームページで見つけたのがこれだった。
谷川俊太郎.comはこちら。http://www.tanikawashuntaro.com/
日本とスイスの国交樹立150周年を記念して行われているイベントの中の一つで、
日本側の詩人2名と、スイス側の詩人2名、そして翻訳者2名の計6名が製作した、
「連詩」という作品を朗読によって発表するというのが、このイベントだった。
4人の詩人が、リレーのように詩をつないでいき、一つの作品とする。
特に決まったテーマはなく、ルールも「ひとり5行以内で」というゆるいもの。
前の人の詩から受けたインスピレーションで、続きとなる自分の詩をつくるだけ、らしい。
作品は、全部で36篇の詩から成る。
スイス側の2名はドイツ語での製作となるため、詩にはその都度翻訳が入る。
翻訳者2名は、ひとりはドイツ語が堪能な日本人。もうひとりは日本語が堪能なスイス人。
おふたりともそれぞれに、ドイツ文学と日本文学の研究者だという。
この翻訳作業が、相当に大変なもの、そしてこのイベントの肝要な部分じゃないかと感じる。
当日、会場には左右の壁にその作品たちが掲げられていた。
これらを眺めながら、正面の舞台に座る6名の朗読を聞いた。
難解でよくわからない部分もあれば、すっと心に入ってくる詩もあった。
スイスの2人は当然ながらドイツ語で朗読。その音を聞いているだけも心地よかった。
そしてその次に入る、日本語の翻訳を聞くのはとってもドキドキした。
本当に大変な作業だったろうと、考えただけで気を失いそうになる。
「六本木連詩」と名付けられた作品群は、自由に写真撮影できたので、
お気に入りのものだけ撮ってみた。
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「ぼくらの旅は身軽な旅で 持ち物はほとんど言葉だけ 全財産が耳でも聞ける
言葉は突然はじけて雨のよう それから地球にふりそそぐ
ぼくらは言葉を掴まえない 言葉がのくらを掴まえる」
23番目の、谷川氏のもの。
「百科事典が 人生の原生林に細道を拓いてくれた
類語辞典で 言葉の網の目に捉えられた
ことば遊び辞典で 辞典類から解放された」
32番目の、Rapheal氏のもの。
「新聞は 言葉の墓場 怒りに駆られて投げ捨てる時 捨てるのは紙ではない
吹いてきた生温かい風が くしゃくしゃと二三羽の鶴を折ることもある
悪しきを払うものだというが」
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谷川さんはもう何年もこうした「連詩」の取り組みを、外国の詩人たちとやっているらしい。
別の言語だとどうなるのだろうと想像して、やっぱりドキドキした。
詩によって、ことばによって、違う国の人とこういう交流ができるのは、とても素敵だと思った。
From Hem
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イベント情報
『日本・スイス 国交樹立150周年記念 連詩の朗読会』
※2014年4月2日終了、詳細は以下のサイトに。
http://www.tanikawashuntaro.com/archives/1412
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