2014年9月23日火曜日

看板のベトナム語vol.6~校門はきれいで安全


好きな風景。近所の小学校の、夕方のお迎え風景。
授業を終えた子ども達が、迎えに来た親のバイクの後ろにまたがり帰宅する。
ある子はおばあちゃんに手を引かれ歩いていく。
両親はまだ仕事中なのかな、徒歩ってことは近所なのかな、と想像する。
とはいえ徒歩5分くらいの距離でも、バイクを走らせる人たちだけれど。

ここは、小学校(Trường tiểu học)。
Trường が学校、tiểu họcには漢字の「小学」がぴったり当てはまる。
写真に大きくTHANH MỸ TÂYとあるのは、小学校の名前。


校門の前にはこんな看板も掲げられています。どの小学校にも必ずあるという訳ではなさそうだけど、よく見かけます。

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Cổng trường em sạch đẹp, an toàn.
「私の学校の門は、きれいで安全」

cổng ......門
trường ......学校
em ......私(ここでの「私」は「生徒」)
sạch đẹp ......きれいな
an toàn ......安全な
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今、sạch đẹpを「きれいな」と訳していますが、正確にはsạchは「(衛生的に)清潔な」、đẹpは「(見た目が)美しい」を表します。どちらの意味も含む「きれいな」という日本語にしてみました。

またemが「生徒のこと」とわかるのは、学校では教員に対して児童生徒は自分のことをemと呼ぶため。きっと主語を生徒にすることで、自分たちの学校なんだという自覚を持たせたいのかな、なんて感じます。


日本では通学班登校をし、友達とあるいは時には一人で下校していた小学校の頃の自分。ベトナムに来るまでは、世界の通学路がどんな風になんて考えてこともなかったけれど、ここでは、バイクがメイン、そして、親や家族と一緒。学校を一歩出たら、子どもは家族の領域へと戻る、ということなのかな。通学風景は、おもしろい。

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2014年9月20日土曜日

看板のベトナム語vol.5~バイクは押してね


免許センターの駐車場つながりで。

入り口の所には、「煙草吸わないで」のほかに、実はこんな看板もありました。こういう看板が掲げられている駐車場、時々あって、実はちょっと「面倒くさいな」と思ってしまうのです…。


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Tắt máy dẫn bộ vào trong ra lấy vé xe.
「エンジンを切ってバイクを押して入り、出るときに駐車券を取ってください」

Tắt ...... (電源などを)切る、消す
máy ...... 機械の総称、ここではエンジンを指す
dẫn ...... 導く、連れていく
bộ ...... 歩く
vào ...... 入る(⇔ra)
trong ...... 中に
ra ...... 出る(⇔vào)
lấy ...... 取る
vé ...... チケット
xe ...... 乗り物の総称、ここではバイクを指す
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気づかないふりしてそのまま入ってしまうと、けっこう怒られます。(笑)

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2014年9月19日金曜日

看板のベトナム語vol.4~KHONGは否定


前回、CAM=「禁止」と紹介しましたが、似たニュアンスでこんな言い方も。バイクの免許更新に行ったセンターのすぐそばの、駐車場にて。


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Không hút thuốc lá trong trường học.
「校内では煙草を吸わないように」

không ......~ではない、~しない(否定)
hút ......吸う
thuốc lá ......煙草
trong ......~の中で
trường học ...... 学校
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Cấm hút thuốc.が「禁煙」だったのに対して、ここでは否定のKhôngが使われています。

ここの免許センターは、近くの学校(短大)の広場が駐車場に使われていて、おそらく学生向けと駐車場利用者の両方に向けて、こんな風に看板が掲げられていたのでした。「禁止」よりも言い方は軽めな印象を受けるけど、KHONGを大きい文字にして目立たせているあたり、やっぱり強く訴えていて。看板で大きなKHONGを見かけたら、何かをしないでと言っているのです。


(私の通っていた人文社会科学大学にも、こんな感じの自習室があったなぁ。 )

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2014年9月18日木曜日

看板のベトナム語vol.3~CAMで禁止!


街中を歩いていて(あるいはバイクで走っていて)、これに出会うと「ドキッ」とします。C A Mの三文字、「禁止」を表す "Cấm"(カム)。


たとえばこちら。これはLê Văn Tám (レバンタム)公園の入り口前に立てられていた看板で、何を禁止しているかと言うと、

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Cấm đậu xe ô tô trước cổng công viên.
「公園の門の前に車を停めることを禁ずる」

đậu ...... 停める、停車する
xe ô tô ...... 自動車
trước ...... ~の前
cổng ...... 門
công viên ...... 公園
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確かにこの公園は門の前は面積が広く、タクシーをはじめとする車たちの格好の駐車場所になってしまっています。特にこの日は公園内でイベントのある日だったので、来客者の出入りを邪魔しないために置かれていたようです。


お次はもっとシンプルに、だけどかなりドキっとするこちら。

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Cấm lửa.
「火、禁止!」
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英語とイラストですぐにわかっちゃいますね。(笑) これ、どこにあった看板かと言えば、中央郵便局横に設置されている地下駐車場。バイクが所狭しと並んでいて、扇風機が何台か立てられているくらい熱気ムンムンの場所。確かにここでライターなんか使われたら…と思うと、「ドキッ」どころか「ハラハラ」する!


最後はこちら。最近屋外でも室内でも、至るところで目にするようになってきた、愛煙家の皆さまにはなかなか辛いであろうこの看板。

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Cấm hút thuốc.
「禁煙」

hút ...... 吸う
thuốc ...... 煙草(正確にはthuốc lá)
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カフェなんかでも禁煙や分煙がどんどん進むサイゴン。このまま将来的にはもっと厳しくなるのかな。私が通っていた大学でも何年か前から煙草に厳しくなったけれど、実は学内には、こんな書き方をしている看板もありました。


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Tắt thuốc vì phụ nữ.
「女性のために、煙草の火を消そう」

Tắt ...... 消す、(電源を)切る
thuốc ...... 煙草
vì ...... ~のために
phụ nữ ...... 女性
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なかなか洒落た言い回し。もちろん煙草の影響は、女性だけでなく男性にも及ぼしてしまうもの。だけれど、"Cấm" と強い言い方をするよりも、こうした書き方のほうが人に訴える力があるように思います。

ともあれ、街中で C A Mの三文字に出会ったら、何かを禁止しています。ご用心!

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2014年9月5日金曜日

ベトナム戦争を学ぶ

こ の日のテーマは「ベトナム戦争」。日本にいた前期授業でも多くの時間を使って皆で取り組んだテーマです。午前中は戦争証跡博物館へ。学芸員の方の案内で館 内の展示物を見学したのち、館長のヴァン(Vân)さんにお話を伺う時間をいただけました。ヴァンさんとは、実は私が日本に3か月帰っていた間に銀座のニ コンプラザで開かれていた石川文洋さんの写真展でお会いし、今回の学生達との対談を申し込んで快諾してくださった経緯があります。私自身初めて聞く、博物 館側の人たちのお話は、どれも本当に貴重なもので、なかでもヴァンさんの、
「今のベトナム人の若者には、自分たちが、こういう戦争があった国の一員であることをわかってほしい」

と いう言葉は印象深く、驚きました。確かに今の若い世代は、私が日本で起こった戦争を知らないのと同じように、ベトナム戦争を知らない世代です。自分の国の 歴史を知ることはもちろん大切だと思うけれど、それが「国の一員だと認識するため」という一言に重みを感じました。私は日本にいた頃(あるいはベトナムに いる今も尚)、自分が日本という国の一員であると認識できたことがあっただろうか…と疑問に思いました。自国の歴史を知ることは、自分がその国と社会のメ ンバーであることを確かめる作業、さらに言えば、世界の歴史を知ることは、自分がこの世界のメンバーであることを確かめる作業なのではないかと、「歴史を 学ぶ」ということの意味と価値が、私のなかで覆った言葉でした。自分に関係のない歴史なんて、ないのだと思いました。ベトナム戦争に限らず、自分の身の回 りで、世界のあちこちで起こるすべての出来事に関心を寄せられるか、そのことが今後の自分のテーマになっていくように思いました。

午後はツーズー病院平和村へ。 主任医師のタン(Tần)さんから平和村の成り立ちやここに暮らす枯葉剤被害の子ども達のお話を伺い、その後は実際に子ども達の部屋を訪問・見学させてもらいました。私はここに来るのは初めてじゃなかったのですが、いつ来ても子ども達は外国人の訪問者にずいぶんと慣れている様子で、だっこやおんぶを明るくねだってきます。とはいえそうやって元気に歩き回れる子ども達は一部で、ベッドから自力では起き上がれず、一日中寝たきりの子ども達もいます。タン医師のお話によれば、現在は60名の枯葉剤被害を受けた子ども(年齢は新生児から33歳まで)がおり、うち60%は知的障がいと身体障がいの複合、残り40%は身体障がいのみがあり、ただしうち20%は知的にやや問題があり、平和村から外部の学校に通えているのは残りの20%のみ、ということでした。子ども達の家庭環境は様々で、親も枯葉剤による障がいがあって子どもを養えなかったり、貧困家庭であったり。親は元気だけれども障がいを持った子どもを許容できず、産んですぐに捨てられたがゆえに平和村にやってきた子もいるそうです。

午前中の博物館のヴァン館長の言葉が思い出されました。ヴァンさんは定期的に戦争被害や枯葉剤被害を受けた人々の家庭を訪問しているそうなのですが、「彼らに同じ悲しみはない」と。「枯葉剤被害」とひとくくりにすることなどできず、障がいの程度も、それによってできることやできないことも、すべて異なる平和村の子ども達。医師や看護師さんたちの困難は計りしれません。

この日二つの訪問先に行って共通して感じたことは、「知る」、ということ。何かを知り受け取ってしまった私、そして学生達には、まずはこれを他者へ「伝える」責任があるのではないか、と。同時により深く「知る」ことの必要性も、強く感じた一日でした。

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2014年9月4日木曜日

ベトナム研修~再会とスタート

本日より、今年4年目となるH大学のベトナム研修スタート。
これは大学内CD学部の正規の授業の一つで、通年科目。過去3年では、私は現地担当者として9月の研修時の現地コーディネートのみをさせてもらっていましたが、今年は4月から7月までの前期授業も日本で担当させてもらい、一足先にサイゴンに戻って、9月4日、研修グループを迎えました。

タンソニャット空港で、3カ月間対峙していた学生さん5名と再会できたときには、何とも言えない嬉しさがこみあげてきて。「サイゴンへようこそ」と、心から思いました。日本から来る人をこのような感覚で迎えるのは初めてでした。

互いに準備を重ねてきた12日間の研修が、いよいよスタートです。

From Hem


※この研修は9月16日に無事終了しました。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。活動の記 録は別途、この研修の実施団体であるNPO法人ARBAのブログ「ARBA活動日記」にて綴っています。興味のある方はご覧いただけますと幸いです (2014年9月27日追記)。
ARBA活動日記 :http://ngo-arba.blogspot.jp/