2014年8月30日土曜日

2歳のおたんじょうび


下宿している家の大家さん夫妻には、小さな娘さん・Tちゃんがいる。

8月30日は、ちょうどTちゃんの2歳の誕生日。普段は放置をしてくれている大家さんたちだけど、何かの折には住民を集めて交流をしてくれる。この日もお呼ばれして、一階に停めているバイクをすべて外に出して、家じゅうの全員でご飯を食べた。ご馳走。

 
私がこの家にやって来たときには、Tちゃんはまだ大家さんのお腹のなかにいた。2年前の夏、私がプノンペンから帰ってきたら、家の中にオギャーという声が響いていたのを良く覚えている。ああ、生まれたんだ…とうれしくて、翌日お気に入りの雑貨店にプレゼントを買いに走った。産後で疲れているかなぁなんて大家さんを気にしてしまい、そのプレゼントを渡してTちゃんと初めて対面したのは、そのしばらく後だった。

2歳になるTちゃんを見て、あなたが生まれる前から私はこの家にいるんだよ、なんて先輩風を吹かせた。人見知りの彼女は最近やっと、私をこの家のメンバーとして認めてくれたような気がする。

どうか大人になっても、私を覚えていてね。(無理か。)

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2014年8月27日水曜日

カンティンごはん


ちょいとお仕事で、とある工業団地へ。
約束の時間まで余裕があって、まだ食べてなかったランチをカンティンで。
このボリュームで20000ドン。約100円。
バナナが2本も、ついてるの。

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2014年8月25日月曜日

路線バスに揺られる~35番と30番


ここ数日、意識して路線バスに乗ってみた。

まもなくやってくるH大の研修グループの皆に、ホーチミン市内ではたくさんバスに乗ってほしいので、いくつかそのルートを確認したかったのだ。

≪35番バス≫
まずは35番。1区をぐるりと回る、数年前にできた新しい路線。現在地下鉄工事中のNguyen Hue通りを避けるように、少しだけルートが変更されてる。新しい路線だけあって車体もとってもきれい。でも、このバスが混んでいるところを見たことがない。確かに地元の人にとっては、小さな1区だけを走られても…ということなのだろう。この日も、おそらく「ちょっと観光」というノリであろう若者たちと私しかいなかった。


≪30番バス≫
続いて30番。これは私の住むBinh Thanh区から、3区のサイゴン駅を通り越してTan Binh区の方まで続いている長い路線。35番バスとは対照的に車体はかなり年季が入っているけれど、いつ乗っても満員だ。


30番バスの難点は、どうやら本数が少なそうだ、ということ。この日はわが家の近くから乗って3区8月革命通りのLe Thi Rieng公園まで行ってみたけれど、乗車時間30分に対して、バスを待つ時間も20~30分(笑)。炎天下の中を待つのはちょっと辛い。


Le Thi Rieng公園で降りるには、公園を50mくらい通りすぎたところにあるこのバス亭で降りるのが近い。8月革命通りのバス停にはこの「TIFFY」の看板が多かった。風邪薬の広告らしい。


Le Thi Rieng公園からわが家の方面に帰るには、公園の正門前にあるこちらのバス停を利用。こちらは屋根つきだ。ホーチミンにはこの二つの種類のバス停がある。


ところでバス停の辺りには、 降車してくるお客さんを捕まえようと、セオム(バイクタクシー)のおじさんや露天商のおばさんがどっしりスタンバイしていることがある。こちらのおばさんは飲み物を売っていた。これだけ暑ければ、確かに買いたくなる!


時刻表がなく、いつ来るかわからないバスに乗るには、時間の余裕もだけど、心の余裕も必要。でも無事に乗れて目的地に着いたときには、「やった、来られた」という何とも言えない達成感があって楽しい。バスの車内にも、そして停留所にも、地元の人々の生活風景が広がる。それを見ているのも、本当に楽しい。


もっともっと、バスに揺られよう。

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2014年8月24日日曜日

看板のベトナム語vol.2~二つの「私たち」のこと



中部名物のきし麵・Mì Quảng(ミークワン)が大好きです。今日のランチで、食べに行ってきました。

本当に日本のうどんやきし麵のように、コシが強く歯ごたえがあります。スープは少なめ又は無しで、具材はお好みで鶏肉やさつまあげやエビ…などなど。今日私が注文したのは「全部のせ」のMì Quảng Đặc biệt (特製ミークワン)で、つけ合わせのおせんべいや野菜・香草たちとの相性も抜群。

 
今日行ってきたのはこちらのお店。平日には他にもBún Riêu(ブン・リウ/カニ味噌入り細めん)やCơm gà Hội An(コム・ガー・ホイ・アン/ホイアン風チキンライス)といった北中部の料理がたくさんあるそうですが、土日はミークワンのみ(残念…)。それでもミークワンだけでも具材違いで10種類以上の品があるので、楽しく悩みながら選べます。


さて、看板のベトナム語。正確には店内に貼られた大きなステッカーでしたが、こちら↑。

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Mọi người yêu thích chúng tôi trên Foody.vn.
「Foody.vnで皆様に愛されているお店です」
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Foody.vnというのはベトナムの投稿グルメサイト。
上の文の単語を分解すると、

Mọi người......皆、全員
yêu thích......好む、気に入る
chúng tôi......私たち(話し手側のみ含む)
trên A .......Aの上で、A上で

ベトナム語はSVO文法なので、直訳だと「皆さんはFoody.vn上で私たちのことを気に入っています」という感じでしょうか。ここでのポイントは Chúng tôi。ベトナム語で「私たち=We」にあたる単語は、実はChúng ta(チュンター)とChúng tôi(チュントイ)の二つがあって、この二つは大きく意味が異なります。

Chúng taは、話し手と聞き手との両者を含む、今同じ場に居合わせている全員を指す「私たち」。
一方のChúng tôi、は話し手側のみをさす「私たち」。聞き手は含まれません。上記の文で「皆さん」とともに「私たち」を使ってしまうと紛らわしいかなと思い、私はこれを「お店」と訳してみています。

この二つの違いを初めて習ったとき、ベトナム語ってすごく面白いなぁと思ったのを覚えています。日本語ではシチュエーション次第。話し手+聞き手の「私たち」か、話し手のみの「私たち」か、同じ単語を使いつつ状況判断が求められますが、ベトナム語でははっきり区別。他の言語には疎いので、世界的に見た時にこういう言い方をする言語がどれくらいあるのかはわからないですが、ベトナム語は二つの「私たち」を使い分けることで、「こっち側」と「あっち側」という陣営をはっきりさせる。今回の例に限らず、そういうことが多いように思うのです。私は詳しくないのですが、これらは中国語の影響が強いのかな…なんて疑問が浮かびます。

少し話が逸れてしまうかもしれないですが、例えば「祖父・祖母」という言い方でも、それぞれ二つあります。

「祖父」=ông nội/ông ngoại 
「祖母」=ba nội/ba ngoại

nộiは漢字の「内」、ngoạiは漢字の「外」があてはまり、「内祖父母」は「父方の祖父母」、「外祖父母」は「母方の祖父母」という意味になります。これもやはり中国からの影響なのでしょうか…いまとっても興味があります。感覚的な話ですが、 ベトナムの人びとの「内」と「外」の概念って、いつもはっきりしているように思えます。彼らの「内」と「外」への考え方、そのうち、言葉の面からたくさん例を挙げてみたいなぁ…と秘かに思っていて、今回紹介した二つの「私たち」も、一つの面白い例じゃないかなと感じてます。

話をギュンッと最初に戻すと。

皆から愛されいるお店のミークワンも、とってもオススメなのです。

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お店情報
Mỳ Xứ Quảng(ミー・スー・クアン)
190, Nguyễn Văn Thủ, Quận 1, TP.HCM
Foody.vn: http://www.foody.vn/ho-chi-minh/my-xu-quang
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2014年8月22日金曜日

月餅の季節

ベトナムはまもなく中秋節を迎える。9月8日が旧暦の中秋節のよう。だんだんと街も華やいできた。月餅を売る店、子ども用のおもちゃや提灯を売る店。


月餅はベトナム語でBánh Trung thu(バイン・チュン・トゥ)。Bánhはお菓子やパンなどにつく総称で、Trung Thuは漢字の「中・秋」だ。

毎年、なんだかんだと私も月餅をいただいている。 昨年は、ちょうどこの時期やってきていたH大の研修グループの、引率の先生が泊まったホテルから。ちょっとトラブルがあり、お詫びの品としてもらった(笑) 今年は下宿先の大家さんがおすそわけしてくれた。ベトナムではこれを小さく切り分けて大人数でお茶菓子として食べるらしい。つまり私が一人で二つも食べるなんて、贅沢なわけだ。

中秋節の夜は、公園に子ども達が提灯を持って集う。4年前くらいに一度、友人がその集まりに連れて行ってくれた。中秋は子どものためのお祭り。今年もそんな光景が見られることを願って。


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2014年8月20日水曜日

朝焼けの雲、初めての帰国の途中で


この前日本に帰っていたときに、すっごく懐かしい写真が出てきた。

この写真を撮ったときのことは、いまでもよく覚えている。2005年の夏、私が初めてベトナムに来たときの、初めてARBAのツアーに参加したときの、帰りの飛行機から撮った写真。ホーチミン深夜発で、成田に着くのは早朝。ちょうど窓側に座っていて、朝焼けで赤く染まった雲を見下ろしたときの写真。そのときは、なんて綺麗な景色を見ながら、元気に帰国できたのだろうと思った。このときの旅が、私にとっての初めての海外への旅で、この写真をおさめたのが、初めての「帰国」の途中だったのだ。

初めて出会った異国に、いまこうして暮らしているのだから、人生、つくづくどうなるかわからないな~なんて思いつつ、今はこの写真を、お守りのように手帳に挟んでいる。私は今ここにいるのだと、なんだか力づけられる写真。


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2014年8月11日月曜日

ビームな夕焼け空


暴飲暴食だった土日(初めてバイクを置いてタクシーで帰るほどに)。

ちょっと反省して、夕方ウォーキングに行った。暑い中を歩くのは嫌だけど、暗い中を歩くのも嫌なので、ちょうど暗くなった頃に家に戻れるように時間を見計らって出発した。いつも歩くコースがあって、終盤にThị Nghè(ティーゲー)橋を通る。


橋にさしかかった頃、 多くの人が脇にバイクを止めている。何かあったのだろうかと気にしていたら、皆左のほうの空を見ている。私もつられて見てみると…


そこにはまるでビームみたいな夕焼けが広がっていて、度肝を抜かれた。皆これを見ていたのだ。思わず見とれて足を止める。空に気づいてバイクを止める人も増える一方。


このとき、道路の両脇にかなりのバイクが止まってしまったけれど、邪魔そうにクラクションを鳴らす人はいなかったように思えた。皆、同じようにこの不思議な空に見とれていたのだ。だってこんな空、見たことない。帰宅ラッシュ時の渋滞が、なかなか好きにはなれなかったけれど、こういう渋滞ならいい、かもしれない。


しばらく橋の上でビームな空と、そこに留まる人々とバイクの群れを観察していた。その後は家に向かって再び歩き出しながら、ちらちらと空を振り返った。


川べりで夕涼みをする地元っ子たち、船でバナナを運んでくる人やそれを買う人、つり竿の糸を垂らすおじさんたちも、皆同じ方向を眺めていた。 自然な一体感みたいなものが生まれていた気がした。


こんなにも憂うことを忘れて、びっくりした夕焼けは初めてだ。なんか、すごいもの見ちゃった。

いいこと、あるかな?


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2014年8月9日土曜日

おこわには鶏肉、宴会には美人


土曜日の昼間に、贅沢な食事会(宴会?)にお呼ばれ。よく食べよく呑み、お腹ははち切れんばかりに膨らんだ。 特に魚が美味しくてたまらなかった。

ホールスタッフのお姉さんが可愛くて、明るくて、丁寧にお給仕してくれながら、時々一緒にビールを飲んだ。宴会参加者のおじさまたちは、「Xôi(おこわ)にはThịt gà(鶏肉)が必要なように、宴会には美人が必要」と言っていた。 ベトナムにはこういう比喩が多い。

宴会は11時に開始。15時に解散。酔っ払いたちは皆、バイクを置いてタクシーで帰った。明日取りに行かなければならない(←ちょっと面倒くさい)。

夕飯を抜くくらい、今もお腹がいっぱい。

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2014年8月8日金曜日

レストラン「天秤棒を担いだ少女」


最近食べものネタばっかり書いているような気がしますが…(汗)。いいなと思った初めてのお店を綴っておきたいなぁと思い、今日も書きます。


3区のヘムにオープンしたばかりというレストラン、"Nàng Gánh"(ナンガン)。Nàngは「少女・若い女性」、gánhは「(天秤棒などを)肩に担ぐ」という意味で、「天秤棒を担いだ少女」。壁にはその少女のイラストも飾られていて。菅笠をかぶり重たそうな天秤棒を担いで歩く女の子が目に浮かびます。おされな店名。


ここはベトナム中部料理のお店で、毎週金・土・日のみランチビュッフェをやっています。お値段はひとり215,000VND(約1000円)と、ランチとして決して安くはないけれど、と~っても美味しく、満足度の高いビュッフェでした。種類はとても豊富です。


料理はこんな感じ。中部のきし麺、Mì Quang(ミークワン、写真左上の黄色い麺)もありました。全体的に味付けが辛めなのも中部テイスト。ベジタリアンの方のための春巻きやゆで野菜、それから私の大好きな貝類もありました。そしてお皿も可愛い。平たい竹のお盆に、丸く切ったバナナが添えられています。


お店のなかはこんな雰囲気。席はそんなに多くないですが、天井が贅沢なほどに高い造りになっているので(二階がつくれそうなほど)、空間はとっても広く感じます。最近、このようなレンガや竹細工でまとめたお店、流行りなのかなぁ。

ところで、店名のNàng Gánh.

これ、ひとつ目の声調や母音記号をちょっと変えて、"Nặng gánh"と書くと、「重荷を負う、重責に耐える」という意味の単語になります。Nặng が「重い」という意味なのです。最初にこの店の名前を見た時、こっちのことかと思ってしまい、(なんて圧迫感のある店名なのだろう…なぜこんな名前に…)とひとりきり頭を悩ませたのですが、違いました(笑) 

ベトナム語は声調記号・母音記号で意味が変わるので、時々こうした笑い話が生まれます。

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お店情報
Nhà hàng Nàng Gánh (Nang Ganh Restaurant)
115/2, Trần Quốc Thảo, Quận 3, TP.HCM
Website: http://nangganh.ganhhangrong.com/Nha-hang-nang-ganh.aspx
※ウェブサイトによると「毎週土曜日のみビュッフェ」という情報が書いてありますが、
お店で聞いてみたところ、「毎週金・土・日のランチのみビュッフェ」ということでした。
その他の日・時間帯はアラカルトメニューでの注文のようです。
(情報は2014年8月8日現在のものです。)
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2014年8月6日水曜日

静かなカフェで出会わなかった音、出会った音


2区にある、日本人オーナーさんによるベジタリアン・カフェがよい雰囲気らしいと聞いて、行ってきました。Ploughman's Gardenというカフェで、沖縄に一号店があるそう。2区ってあまり行かないエリアだけれど、実は私の家からはけっこう行きやすい。スーパーMetroを目指して行ってその手前で右折した先の、閑静な住宅街の一角にあります。


カフェは、オーナーさんの住居でもある2階建ての庭付き一軒屋。この日は普段はイベントのときにしか使わないという屋上にもテーブルと椅子が出ていて、そこに座りました。 扇風機だけだけど、風がとっても気持ちよく通り抜けて、ぜんぜん暑くない。


いくつかあるメニューのなかから、この日私はランチプレートをいただきました。野菜にこだわっているようで、確かにとっても新鮮で美味しい。左下の春巻きも揚げたてで絶品でした:)


店内の写真がほとんどなく、屋上の写真ばっかりなんですが(汗)、写真から伝わるでしょうか、ここ、とっても静かな場所で。バイクの音も、人々の話し声も聞こえない。一瞬、サイゴンの喧騒を忘れる、まるで別世界みたいな空間。

でもそれが、自分にとって落ち着けるものなのか、この日の私はよくわからなかったんです。逆になんだかそわそわするような。日本に帰ったときも、「東京って、生活音があまり聞こえない」と思ったけれど、その感覚がふっと蘇ってきました。普段、生活音に囲まれていると(しかもわりと大きな音たち)、それが急になくなったときに心もとなくなってしまうというか…。

私、バイクの音とか、あんまり嫌じゃない、のかもしれない。

ところで帰り、下の階に降りたらBGMの音楽が流れていました。 屋上までは聞こえていなかったみたい。あれ…日本語だ? あれ…なんか…好きなタイプ…!!と、思わずオーナーさんに教えてもらっちゃいました。帰宅してから早速ヘビーローテーション(笑) 「トクマルシューゴさん」だそうです。知らなかった。でも、素敵です。はい、好きです。ズキュンです。

カフェにて、出会わなかった音があったと思ったら、こんな風に新しい音に出会いました。とさ。




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お店情報
Ploughman's Garden
58, số 1, Trần Não, Bình An, Quận 2, TP.HCM
Facebook Page: https://www.facebook.com/ploughmansgarden/info
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2014年8月5日火曜日

看板のベトナム語vol.1~「子どもは二人まで」


先日、列車に乗ってビエンホア駅まで行ったときのこと。駅から出て街中をぷらぷら散策していると、こんな看板が目に入ってきました。同内容の看板はサイゴンたその他の地域でもよく見かけてきたけれど、文字だけでここまでインパクトがあるのは初めてかもしれない…と、思わずパシャリ。

**********
Mỗi cặp vợ chồng chỉ có một hoặc hai con để nuôi, dạy cho tốt.
「各夫婦に、子どもは一人、あるいは二人。より良く育て、良く教えるために。」
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Mỗi……それぞれの
cặp……一組の、ペアの
vợ chồng……夫婦(vợ=妻、chồng=夫)
chỉ + V……Vするだけ
có……持つ
một……数字の1
hoặc……または(A hoặc B=AまたはB)
hai……数字の2
con……子ども
để~……~するために
nuôi……育てる、養う
dạy……教える
cho tốt……より良く


看板左には組織名がChi cục dân số, kế hoạch hoá gia đình tỉnh Đồng Nai(ドンナイ省人口・家族計画化支局)とあります。人口がどんどん増加しているベトナム。政府は2010年より法令を定め(第31/NQ-CP決議)、将来の国内人口を調整するために、人民には夫婦一組に対しに子どもは二人までが推奨され、公務員にはそれが義務付けらているという。公務員がこれに違反した場合には罰則もあるとか。

*決議の原文はこちら。

*VIETJOさんによる関連情報はこちら。



これから時々ブログにて、「気になった看板のベトナム語を読む」ということをしていきたいなぁと思います。自分の勉強と備忘録のために!そしてそれがもし、このブログを見てくださった、稀有などなたかのお役に立てるのならば、これ以上嬉しいことはありません。

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2014年8月2日土曜日

ビエンホアを歩く


(前記事の続き)

その日のうちにサイゴンに戻るため、夕方頃に発車する帰りの切符を買おうとするも、窓口も切符を買い求める人で大混雑…。いつまでたっても空く様子がなかったため、帰りはバスでいいかなと諦め、駅を離れました。お腹が空いたので、とりあえず朝ごはん!


ビエンホア駅を出てまっすぐ続く道の両側には、庶民的な食堂やカフェが立ち並んでいます。そのうちの一軒に入って、Bún Bò(ブンボー)を食べました。おばさんがとても感じのよい人で、明るく元気に、そしてテキパキと運んできてくれました。これがまた、とても美味しいブンボーで。帰り際には "Cảm ơn con nha! Bữa nào ghé lại ủng hộ nha!" (ありがとね!また来てね、ご贔屓に!)と元気いっぱいに見送ってくれました。

余談なのですが、"ủng hộ"(ウ~ンホ)というベトナム語が、私は前からなんだか好きなのです。漢字にあてはめると「擁護」を表すこの単語。「(ある意見を)支持する」とか「(ある人やチームを)応援する」という意味として使われます。日本語だと、同じ意味を表しつつその場面ごとに単語が変わるけれど、ベトナム語だとこの「ウ~ンホ」の応用範囲が広く、上記のおばさんは、「うちの店のこと、応援してね」という意味で、つまり「ご贔屓に」という意味で使っていたことになります。日本語の語彙の豊富さを感じると共に、ベトナム語のフレキシブルな柔らかさも感じるから、私はなんだか、この単語が好きなのです。

コピー屋の店先で読書に耽るおじいさん。

朝食を終えて歩きだすと、突然、大粒の雨が降ってきました。急いで屋根のあるお店の前で雨宿り。すると同じく雨宿りをしに、宝くじ売りの姉妹がやってきました。お姉ちゃんは中学生くらい、妹ちゃんは小学生低学年くらい、という感じかな。二人はちょっとだけ私の存在を気にする素振りをしながら、雨がやむのをじっと待っていました。

途中、妹ちゃんが雨を見て"Mưa đá?(ヒョウ?)"と尋ねました。確かに大粒だったけれど、明らかにヒョウではなく、お姉ちゃんが「何言ってんのよ」と笑い、妹に蹴りを入れてからかい始めました。ヒョウという単語の"mưa đá" (ムアダー)はmưa(雨)と đá(氷)の組み合わせでできていますが、実は đáにはもう一つ「蹴る」という意味があって、例えば"bóng đá"(ボンダー)と言えばbóng(球)+ đá(蹴る)で「サッカー」となります。

つまりお姉ちゃんは、「ヒョウって、あんたね~」と笑いながら、蹴りを入れる動作をして言葉遊びをしていたのです。 ベトナム語だからこそできるやりとりだなぁと、私も一緒になって笑いました。初めてお姉ちゃんと目が合って。だけど雨が止んだら二人はすぐに宝くじ売りに戻っていきました。一時だけでもお姉ちゃんと笑いを共有できたことが、妙にうれしかったです。


晴れた街を散策していると、可愛らしいカフェを見つけました。朝からコーヒーを飲んでいなかったので、カフェスアダーで休憩。1時間半くらいいたけれど、お客はずっと私ひとり。若い女の子の店員たちはきっと退屈だったのだと思う、店内を流れるBGM以上の大きな声でずっとおしゃべりをしていました。

カフェを出てさらに歩いていくと、学校が立ち並ぶ区画が出てきました。短大、小学校、そして中学校。それぞれ別の組織なようで、名前も全く別。
 

面白かったのは、中学校。校門の前にBảng tin(掲示板)があったのですが、そこへひっきりなしにバイクで人がやってきます。貼り出された何かを一心不乱で読む人々。何だろうと思って近づいたら、中学受験の合格発表!今の時期、ベトナム全土で受験が行われていますが、連日ニュースで大きく取り上げられるのは、主に大学受験の状況。でもそうだ、ベトナムでは国公立でも中学受験があるわけで、こんな風に子どもの結果を見に来る親たちの姿に出会えるのです。

中学校の前の大通りにて。
散策を続けていると、またしても雲行きが怪しくなってきて。降られる前に、と思い、セオム(バイタク)のおじさんを掴まえてBến xe Biên Hoà (ビエンホア・バスターミナル)まで送ってもらいました。サイゴン市内だと50000ドンはかかりそうな道のりを、おじさんは20000ドンで連れていってくれました。これがサイゴンとビエンホアの物価の違いなのか、それともおじさんの良心によるものなのかは、わからなかったけれど。

バスターミナルから5番のバスに乗ります。始発がこのビエンホア・ターミナル、終点はサイゴン5区に位置するチョロン・ターミナル。途中わが家の近くも通るため、そこで下車することにしました。切符は15000ドン、列車とさほど変わらないんだなぁと思っていたら、窓を打ち付ける雨が。本当に、雨のよく降る今日この頃です。

ビエンホアの4月30日通り。旧国道一号線、とある。

ほんの束の間のトリップだったけれど、列車は楽しい。そして、知らない街を歩くのもやっぱり楽しい。サイゴンも大好きな街だけれど、あちこち出かけていかなくっちゃ!と思った旅でした。


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2014年8月1日金曜日

鉄道ショートトリップ


今週はちょっと悲しいことがあり、どこかへ行きた~い!という気もちが爆発した昨日。南北統一鉄道に乗りに行くことにしました。乗ることが目的、行き先はどこでもOK。がたんごとんと揺られ、束の間でも列車の雰囲気を味わいたかったのです。


朝9時サイゴン発、ハノイ行きの便。行き先は特に決めていなかったけれど日帰りできる場所で、まだ降りたことのない駅がよかったから、Bình Thuận(ビントゥアン)駅下車あたりを狙っていたけれど、当日朝に切符を買い求めたら、なんと、売り切れ!仕方なくサイゴン駅お隣のBiên Hoà(ビエンホア)駅までの切符を買うことに。お手軽ショートトリップになっちゃったけけれども、それもまたよし。かっちり決めていないほうが、楽しく行けるような気がします。ビエンホア駅までの切符はハードシート(木の座席)で16000ドン。


車内には所狭しと乗客がいました。家族らしきグループが多く、皆けっこうな大荷物。週末の里帰りかな? なんて想像をふくらまします。切符に座席番号は指定されているけれど、その通りに座るかどうかはだいぶユルイ。私もとりあえず、空いていて外の景色が見やすいところへ座ります。

近くの乗客たちは、とても自然な様子でそれぞれの時を過ごしていました。若いお母さんは少しだけ疲れた顔で、ぐずる赤ちゃんに哺乳瓶をあげ、お父さんがその姿を笑顔で見守っていて。おじいちゃんは小さな孫に窓側の席を譲り、いっしょに外の景色を静かに眺めていて。一人で座る20代らしき女の子は、ティッシュで自分の座席とその周りと几帳面に拭き綺麗にしていて。旅行らしい欧米人のグループも二組いました。

サイゴン駅からビエンホア駅までは45分程度。あっという間に着いてしまうけれど、列車の音、乗客たちの様子には、なぜだかいつも落ち着いた気持ちになります。 窓の外に垣間見る、線路沿いの人々の暮らしや踏切で止まるバイクの群れもまた、私にとっては、こういうときにだけ見られるという貴重さがあるのかもしれません。



車両と車両の接続部分にある窓から、しばらく外を眺めていました。うまく撮れた動画じゃないけれど、ちょっとでも雰囲気が伝わればいいなぁと思います。

ビエンホア駅についたのは10時前。ビエンホアから乗りこむ乗客がとても多く、入口は押し合い圧し合いの大変な状況に。外の景色に夢中で降りるのにちょっと出遅れてしまった私は、迫りくる人の波に逆らいながら、何とか下車。ビエンホアでの様子は、次の記事に続きます。

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