今日はいよいよカーマウ岬へ行ってみます。カーマウ市内から約100km先の岬まで行くには、岬に近い街ナムカンNăm Cănまでバスで行く方法と、船で行く方法の二つがあるようなのですが、私はホテルのフロントのお姉さんから教わった船で行く方法をとりました。
ホテルを出発して高速船乗り場Bến tàu cao tốcへ向かいます。ホテルからは歩いて1km程度。
高速船乗り場は思いのほかたくさんの人がいて、みんな岬へ観光に行くのかと思いきや全然そうではなく、船は終点の岬までの間に色んな場所に立ち寄るため、人々は陸路移動と同じ感覚で水路移動をしているようでした。
この船で向かいます。私は10時発の便に乗りましたが、朝6時台から1時間に2便くらいのペースで出ていました。約3時間の船旅、終点ナムカンを目指します。料金は12万5000ドン。
船内の様子。おしゃべりに花を咲かせるおばちゃんたち。泣き叫ぶ子どもをあやす若いお母さん。ビジネスマン風のおじさん(どこへ出勤?)。ここでも地元の人の日常が広がっていて、なんだか嬉しくなりました。そんななか、匂いを気にしながらバインミーをかじる私。
いよいよ出発。窓の外の大自然と、時々現れる水辺の家。眺めていてちっとも飽きません。
途中何度も寄港しましたが、そのうちいくつかの場所ではこうして乗客にドリンクやおやつを売る人たちの姿が。サイゴンからドンナイ省へ向かう12番の路線バスみたいで楽しい。
そろそろおしりがしんどいな…と思い始めていた13時頃、無事にナムカンに到着。降りた瞬間にセオムのおじさんたちに取り囲まれました。ナムカンから岬のあるダットムーイĐất Mũiまではとても歩いて行ける距離ではないので、バイク移動に頼るしかなさそうです。ドライバーさんたちは皆同じユニフォームを着ていて同じ会社?の仲間たちのよう。「岬に行きたい」と伝えて一人のおじさんのバイクに乗ります。料金は一律で定められており、私はおじさんに勧められるままいくつかのポイントを回ることになったので、合計で15万ドンでした(別れ際にチップをねだられましたが…とほほ)。
こんな道を通りました。おじさんの説明によると、両脇に広がる森林は「カーマウ岬国立公園」として国に指定されているものなのだとか。
ここはカイロン公園Khu du lịch Khai Long。私以外にベトナム人観光客が一組だけいて、お参りをしていました。セオムのおじさんによれば、宿泊できるコテージも建設中とのこと。確かに綺麗なコテージが2、3見られましたが、ここに泊まりたい人はいるかなぁ、どうでしょう。
さて、ついに岬へ。例の有名な石碑へ行く前に、おじさんに案内されたのはこちら。ここはベトナムの国土の最南端として、「ここが南のスタート地点です」を意味するモニュメントが建てられています。
Mốc ...... 印
toạ độ ...... 座標
quốc gia ...... 国家
このモニュメントは1995年に国によって造られたそうで、周りには国を代表する官僚たちから贈られたという木々が植えられていました。参考:http://dulich.vnexpress.net/tin-tuc/viet-nam/ca-mau/diem-cuoi-tren-dai-dat-hinh-chu-s-2921469.html
国家主席のチュォン・タン・サンや、
グエン・タン・ズン首相も。他にも多くの名前がありました。
右は私をここまで連れて来てくれたセオムのおじさん。今年60歳なのだそうで、しきりに「Chú già rồi, già rồi(自分はもう年だよ、年)」を繰り返していました。私がそんなことないよ、お元気そう、60歳には見えないよ、と言っても、「もう本当に年だよ、次に君がこの岬に来る時自分は生きてるかどうか…」と悲観的な言葉がたくさん出てきていて、でもその声はとっても明るくて、おじさんー!もうー!というやりとりと、何度もしました。
さて、いよいよ、例の石碑に…!
8'37"30 VĨ ĐỘ BẮC=北緯8度37分30秒
104'43 KINH ĐỘ ĐÔNG=東経104度43分
ベトナム最南端の位置を示しています。
普段自分の写真は撮りませんが、思わず近くにいた観光客のお兄さんにお願いしてしました。私、ここに来ました、と、記念のパシャリ。
石碑のすぐそばにはこんな風に展望台があり、タイランド湾を一望できるようになっています。とりあえず、登ろう!
展望台の一番上からの景色です。水平線が妙に神秘的に見えてきてしまいました。左に見える青い建物はレストランだそう。このときは帰りの船の時間が近づいてきて食事はできませんでしたが、ここで食べるご飯、いいだろうなぁなんて想像しました。
15時10分の最終便の時間があっという間に来てしまいました。後ろ髪を引かれつつ、ナムカンの船着き場に戻ります。行きと同じような船に乗ります。船着き場にて、カフェスアダーを飲みながら出発時間を待っていると、近くにはお母さんと3人の子どもがいて、同じく船を待っていました。彼らはどこからやって来て、どこへ行くのだろう。乗りこんだ船にはこの家族のほかにも実に多くの人が乗っていました。
行きと同じように3時間の船旅。ちょうど夕暮れ時にあたり、綺麗な空を見ることができました。ここまでひとりでやって来れたご褒美をもらえたような、そんな幻想的な風景でした。静かな景色のなかに、ゴォオオンという船の音だけが不釣り合いなほどに大きく鳴り響きます。下の動画でその様子が伝わるといいのですが…。
3時間かけて無事にカーマウ市内に戻ってきました。時間はかかったのですが、あっという間の、束の間の夢みたいな時間でした。何よりこの国の最南端に行けたことがうれしく
てうれしくて、自分のミーハーっぷりを笑いつつも満足の一日でした。Sの字をしたベトナムは、南北に長い。サイゴンは南の中心地だけれども、もっともっと南がある。そのことを実感できただけで、本当に、行ってよかった。
誰にって訳じゃないけれど、誰かに「ありがとう」と伝えたい日でした。
From Hem
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