2014年4月3日木曜日

5年ぶりの桜


日本に帰って来た翌日、東京・飯田橋に行った。
外濠を囲むように、たくさんの桜が迎えてくれた。しかも満開で。
昨年も同じ時期に帰って来たけれど、少し遅く、もう散っていたから、
満開の桜を見られるのは、かれこれ5年ぶり。

ちょうど見頃だったようで、多くの人が押し寄せていた。カナルカフェも大盛況。
私も情けないほどミーハーだけど、うっとりした。








でも、桜もいいけど、もっと見たくなるのは、秋の紅葉なんだよね。

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2014年4月2日水曜日

トランジット・上海②~街並みとカフェ


小籠包でお腹を満たした後は、T子さんオススメのカフェへ。

地下鉄で「陜西南路」駅まで行き、ぶらぶらと歩きながら。
古いアパートが多い、素敵な街並みのエリア。






そしてお目当てのカフェ、 「song fang/宋芳茶館」へ。オーナーはフランス人とのこと。



店内にはレトロな缶がインテリアとして並び、


白を基調とした家具のなかに、カラフルな赤の布でアレンジされたソファが。


(うーん、写真がひどい…)

オリジナル商品という水色の食器はとってもキュートで、
注文した紅茶とケーキも、美味しかった。


T子さんと積もる話に花を咲かせていると、あっという間に空港へ行く時間に。
帰り、ひとりで地下鉄に乗り空港へ向かう途中、乗り継ぎ駅を間違えてしまい、ギリギリの到着。チェックインカウンターに無理を言って通してもらい、搭乗口までダッシュ。
預け荷物はサイゴンから直接成田に向かうため、手続きが早く済んでよかったぁと安心して機内に入るも、夜成田に着いたら、なんと預け荷物が上海に置き去り!というハプニング発生。
初めての経験に思わず「え~!」と成田の職員さんに詰め寄るも、すぐに笑えてきたのは、上海でのトランジット・タイムが楽しかったからかなぁ、と。荷物は翌々日、無事に自宅まで届けてもらいました。すんごい重かったから、むしろラッキーだった?

初めての街は、やっぱりワクワクした。
右も左もわからない、書いてある言葉もちっとも読めない(同じ漢字なのに)、でも、それが楽しい。
次はちゃんと時間をとって、上海をめざして旅に来よう。そう思えたトランジット・タイムだった。


T子さん、本当にありがとうございました。

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2014年4月1日火曜日

トランジット・上海①~小龍包と庭園


4月から7月中旬まで日本に帰ることになった。おなじみ中国東方航空の上海経由便を使って。いつもは空港でダラダラと過ごしてしまう上海、今回は10時間以上のトランジットだったので、思いきって街へ繰り出すことに。初めての街を歩きたいというのと、もう一つ。ホーチミンで出会い、現在は仕事の場を上海に移したT子さんとも会いたい!という企みだった。

上海には早朝着にもかかわらず、空港に迎えに来てくれたT子さん。到着ロビーにて遠くからお互いの姿をを見つけた時には、思わず感動の再会らしくダッシュで駆け寄った。(その後の二人の息切れっぷりが笑えた。)


上海の空港からは、リニアモーターカーにて中心地へ。T子さんに頼りっきりで何も調べていなかったのだが、どうやら時速431kmのスピードが出ることで有名な世界最速列車らしい。


スピードが表示されるポイントに座席を陣取り、他の観光客の皆様と一緒にパシャリ。430kmしか撮れなかったけれど。


遊園地のアトラクションばりに速いリニアモーターカーの思わぬスピードに若干ひやひやし、地下鉄を乗り継いで向かった先は豫園(よえん)。ここに残る庭園と、T子さんオススメの小籠包が目当てだ。


「千と千尋の神隠し」の世界のような街並み。


 T子さんの後について歩いてゆくと…


10時前にもかかわらず大行列のお店が!みな、小籠包を買うために並んでいるという。私たちはこのお店の2階のレストランでいただくことに。


こちらがその小籠包!豚肉、カニみそ、野菜の三種類を注文。朝からこんなに食べられるかなぁ~という心配をよそに「ん~~美味しい!!」を連発しながらバクバク食らう私たち。ここのは肉汁が少なめの、具材たっぷりのタイプだという。こんな美味しい小籠包食べたことない!東方航空の機内食を我慢したかいがあった。


臭豆腐と卵のスープも注文。臭豆腐はベトナムではこの形では食べないけれど、ゆでオクラのたれとして一般的な chao (チャオ) と同じ。チャオが好きな人には全く臭みも気にならない美味しさのはず。

朝からお腹と心を満たした後で、地下鉄の駅名にもなっている豫園へ。ここは明の時代に建てられた庭園で、いまでは重要文化保護材になっているという。個人のものとは思えないくらい精巧な造り。厳かでもあって、優美でもある、そんな絶妙なバランスの美しさ。









特に窓枠や襖の格子に散りばめられた細工が本当にきれいで、うっとり。そこに映える真っ赤な提灯の、なんとも言えない強い存在感。圧巻の庭園だった。

(旅、続きます)

From Hem

2014年3月27日木曜日

ブックフェアがやってきた!


今朝は、毎年この時期に1区のレバンタム公園で開催される「ホーチミン市ブックフェア」に行ってきた。今年で8回目となるこのフェアは、数あるブックフェアの中でもホーチミン市で最大規模を誇り、ベトナムの各出版社や書店がそれぞれにブースを構え、特別価格で販売する。開催中の前期は定価から20%オフ、後期になるとさらに安くなるらしい。


ハイ・バー・チュン通り側の正面入り口。
平日の午前中だというのに駐輪場には溢れんばかりのバイクが並び、大盛況。

 

それぞれのブースに所狭しと並ぶ本。
熱心に品定めをする大学生風のお客さんが多かった。


"Giảm 20%" (20%オフ)の文字がきらり。


こちらには"Giảm giá từ 20%" (20%オフ~)の文字も。


おなじみ「FAHASA」のブースにはグエン・ニャット・アインの作品も並ぶ。


なかでも大盛況(そして大音響)だったのは、こちらのブース。
TIKI.VNという書籍の通販サイトによるブースのようだ
書店ではめずらしい紙袋使用。

 

別のブースには、こんな「本の自動販売機」も…。戸惑うお客さん続出(汗)

 

目をひいたのは、昨年亡くなったばかりのヴォー・グエン・ザップ将軍を忍び、その生涯や功績を紹介した多くの書籍。こちらのパネルは、そのうちの一冊、「ヴォー・グエン・ザップ将軍・総司令官」という作品を模ったもの。Đại tướngが「将軍」、 Tổng tư lệnhが「総司令官」を表す。


同じパネルの裏にはこちら、「私の心のなかのヴォー・グエン・ザップ将軍」という一冊。Trong=中、Trái tim=心、Tôi=私、である。


さらに歴史関係のコーナーには、Sách về Hoàng Sa - Trường Sa(西沙諸島・南沙諸島に関する書籍)と題された棚も。中国との領有権争いに揺れるベトナム、一昨年頃から一気に関係書籍が増えている。


しかし1時間もフラフラすると、さすがに暑い。こちらは現在乾季の真っただ中。これから4月に向けての猛烈な暑さは避けては通れないから当然だよね…と思っていたら、ブースとブースの隙間にはNước uống miễn phí! (飲み水無料!)のコーナーが。敷地内には特設カフェも出ていて、ゆっくり休める。これ、大切。

 

さて、汗を流して歩き回った、私の今日の戦利品。

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【上段】
(左)Bản đồ du lịch Thành phố Hồ Chí Minh
「ホーチミン市観光地図」 4月からのH大学の授業で利用予定!

(中央)Nhật ký Đặng Thuỳ Trâm
 「トゥイーの日記」のタイトルで日本語にも翻訳されている本の原典。

(右)Ca Dao Dân Ca Việt Nam (tập 1/tập 2)
 「ベトナムのカーザオとザンカー」(第1巻/第2巻)
ベトナムの伝統的な歌謡・民謡の詩を紹介したもの。

【下段】
いずれもグエン・ニャット・アインの作品で、

(左)Thiên thần nhỏ của tôi 「私の小さな精神→「私の小さな天使」
※ Thiên thần は「精神」ではなく「天使」でした。 ちなみに「精神」はTinh thần。
不注意で、大変失礼しました。(4月18日訂正)

(中央)Mắt biếc 「つぶらな瞳」
加藤栄さん訳で日本語版も出版されている。

(右)Chúc một ngày tốt lành 「どうぞよい一日を」
最後のタイトルは児童文学作品を中心とするアイン氏の最新刊。
年に何度も出版し、とても精力的に執筆活動をしている作家さんだ。

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ブックフェアに行くと毎年思うことがある。

ベトナムの人々は、漢字が公式の文字とされていた昔から多くの文学を創作してきた。その頃漢字はお役人や有識者だけのものだったけれど、詩歌を重んじる歴史は引き継がれ、文字がクオックグー(現在のアルファベット表記のベトナム語)となり一般庶民に普及された後にも、多くの文学が創作、出版され、購入、読書されている。いまこの現在も、日々の営みのなかに書籍が自然に、あたりまえのものとして取り入れている。文学に限らず、街で新聞片手にコーヒーを飲む人々の多いこと。その姿を見るたびに思い出す、カンボジアの友人のことば。彼女が初めてホーチミンに来た時に驚いてに発した、「ベトナムには、ベトナム語が溢れていますね」ということば。

私はひとりの外国人学習者だけれど、ベトナムの人々が長い歴史のなかでを大切にしてきたその言葉たちを学んでいる。言葉を通してベトナムのことがもっと知りたいと願っている。話せたらいいな、聞けたらいいな、という気持ちばかりの時期もあったけれど、いまは「読めたらいいな」。ベトナム語の文学作品を丁寧に読むことが、いまの自分の課題だと思う。

今日の戦利品たちも、読み終えるのにはきっと膨大な時間がかかるだろう。それでもなんとか最後まで読み通してみようと、ここに決意。

 

学生のほかに、おじさんたちの姿もよく見かけた。今日はとっても楽しかった。

From Hem


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イベント情報
Hội sách Thành phố Hồ Chí Mình Lần Thứ VIII -2014  Sách - Văn hoá và Phất triển
「第8回ホーチミン市ブックフェア2014 本―文化と発展」

会場:Công viên Lê VănTám(レバンタム公園)
1区Võ Thị Sáu通りとHai Bà Trưng通りのコーナーに位置する。
期間:2014年3月24日(月)~30日(日)
入場無料・駐輪場は有料
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2014年3月22日土曜日

初めての「ぶんっ びっ」


ご近所のHちゃんと久々の再会。Hちゃんはヨガ教室で知り合った日系企業勤務の女の子で、日本語も堪能。おうちに遊びに行かせてもらったり、バインダークア屋さんを教えてもらったり、とてもお世話になっている。

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バインダークアについての記事はこちら↓
http://nhatkytronghem.blogspot.com/2013/08/blog-post_15.html
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そんなHちゃんが再び馴染みのお店を教えてくれた。どんな場所?と聞くと、

「市場の…いえ、本当は市場じゃないんですけど…その中に朝だけ出る店で、『ぶんっ びっ』が食べられます。」

ぶんっ びっ… ぶんっ びっ?
ああ、 Bún Vịt! アヒル肉のせブン?? 食べたことない!

初めての料理に心躍らせながらバイクで連れて行ってもらうと…


細いヘム(路地裏)の合間の開けた場所に、ぺたんと座りこんで野菜を販売する人々。確かに市場のような集いの場ではあるけれど、建物のある市場ではない。この日は満潮の影響でなんと水浸しに。だけど皆はおかまいなく、バイクでバンバン通り抜ける。


この「市場」の一角に店を構える店が、私たちのお目当て。土曜日の朝、入れ替わり立ち替わりお客さんがやってくるので、常に満席状態。地元の人は、本当に美味しい店をよく知っているのだなぁとつくづく感心。

 

おばちゃんに注文し、作ってもらう。メニューは一つしかなかったけれど、多少は具材を自分で選べるようだ。


で、こちらがそのBún Vịt。

牛肉も合わせてのっけてくれていたので、厳密にはBún Vịt Bò(アヒル肉と牛肉のせブン)ということになるのかもしれない。フォーと同じく山盛りの香草をお好みで加えながら食べる。やや薄味なので、刻み生姜・唐辛子・砂糖を加えた薄めのヌックマム(魚醤・写真左下)で味を調節しながら。付け合わせとして、アヒルの血を固めたものも一緒に注文(写真左上)。

場所のインパクトも加わって、ちょっとドキドキしてたこの料理、見た目の脂っこさとは裏腹にとってもさっぱりしていてとっても美味。また一つ、好きな料理が増えた。

やっぱり地元の人の味覚はすごい。今日もとっても頼りになるHちゃんだった。

From Hem