2013年11月22日金曜日
「物想いカフェ」
ちょっと前から、好きなカフェがある。
Bâng khuâng Cafe (バン・クォアン・カフェ)
私は「物想いカフェ」と呼んでる。その理由は後述。
知人に教えてもらい行ってみたらたちまち好きになってしまった、隠れ家カフェ。1区中心部に建つ、古い佇まいのアパートの一室にある。
天井の高い階段を上っていった、日本風に言った3階に存在。階段は淡い照明と素敵な猫の絵でおしゃれに飾られている。
階段を上がった左側。ひっそりとOPENと掲げられた扉を開くと…
こんなところにこんなカフェが!とびっくりした、落ち着いた雰囲気。店内には静かにジャズが流れる。
窓辺には緑も。
コーヒーはなかなか美味しくて、 その他のドリンクメニューも豊富。ランチには麺類やその他の料理がいくつかある。だけど私のお気に入りは、メニューには載っていない Cơm nhà(コム・ニャー/おうちごはん)という、ごはん・野菜・お肉OR魚・スープのセット。これで4万ドン(約200円)だから、立地のわりに はリーズナブルだと思う。
オーナーの女性はバンメトートの出身。大学入学を機にサイゴンへ移住、それからずっとサイゴン暮らし。実家がカフェをやっていた関係で、サイゴンでもずっとこんな雰囲気のカフェを開きたいと夢見ていたらしい。早くに目をつけていたこの物件を借りられるまでに、長い年月と度重なる交渉を経たとのこと。念願叶ってやっと半年前頃にオープンした、自分の店なのだそうだ。
ところで気になっていたこのお店の名前。 Bâng khuângって??
オーナーさんに聞いてみると、バンメトートに咲く、紫色の花の名前らしい。確かに、このお店のマークにもなっている。
そしてBâng khuângという単語にはもう一つの意味がある。越越辞書を引いてみると…
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[Tính từ] có những cảm xúc luyến tiếc, nhớ thương xen lẫn nhau, gây ra trạng thái như hơi ngẩn ngơ.
[形容詞] 惜しさや懐かしさの入り混じった感傷的な気持ちで、心がどこかへ行ってしまったような状態を引き起こしている。
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とある。こ、これはすごい意味…。一言で日本語でしっくりくる単語が見つからないけれど(どなたかあったら教えてください!)、こういうベトナム語に出会ったとき、つくづくベトナム語って感情を表す言葉が豊かで、美しいなと思う。
そんなわけで、冒頭に書いたように、とりあえず「物想いカフェ」と呼ぶことにした。ひとりでぼーっとしたいとき、ちょっと物想いに耽りたいとき、ここへ行くようにしている。 オーナーさんも、そんな場所になったらいいなという意味を込めて、つけた店名だと語ってくれたから。
最後のおまけは、お店のトイレから見える景色。年季の入った建物、窓越しに見えてしまいそうな、ひとんちの暮らし。私はこの景色も、お気に入りなのだ。
トイレットペーパーだって、可愛いの。
From Hem
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お店情報
Bâng khuâng Cafe
Lầu 2, số 9, Thái Văn Lung, Q.1
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