2015年9月6日日曜日

南北統一鉄道体験


日曜日の今日は、日本から来ている研修グループの皆さんと一緒に南北統一鉄道の乗車体験をしてきました。南のサイゴン駅から北のハノイ駅まで、約1800kmを縦断する列車。今回はわずか40分の、サイゴン駅からお隣ビエンホア駅(ドンナイ省)までの乗車でしたが、車窓からの風景と、生活感たっぷりの車内の風景を味わってきました。


サイゴン駅ホームの様子。9時発のSE6という列車に乗りました。ビエンホア駅までのチケットは31000ドン(現在のレートで約170円)。念のためチケットは前々日に買っておきましたが、正解。車内はほぼ満席でした。ちなみに規定が変わったようで、チケット購入時には氏名とパスポート番号が必要になりました(昨年までは必要なかったのですが)。これらの情報はチケットにもちゃんと印字され、乗車時にチェックされるようになっています。


こちらは私たちが乗った車両の様子。今回は一区間の移動体験ということで、一番ランクの低い「ハードシート」タイプを選びました。木でできた、まさに「硬い椅子」(笑) 他にはリクライニング付の「ソフトシート」、寝台車両である「3段ベッド」と「2段ベッド」タイプがあり、それぞれに価格が異なります。

この列車は長距離移動に使われるため、私たちのようにサイゴン駅で乗ってビエンホア駅で降りる人はほとんどいません。お客さんは皆さん大きな荷物を抱えて乗車しますし、ホームには見送りの家族や友人たちで溢れんばかりです。皆さん、どこへ行くのかなぁ…。


こちらは車窓からの様子。ホーチミン市中心部を抜けると、景色がガラッと変わります。私は過去に一度だけ、約35時間かけて列車でハノイまで行きましたが、縦断中はこうした農村風景が大部分を占めていました。つくづく、ホーチミンは特殊な都市なのだと実感します。

車窓からの景色も楽しいのですが、もっと楽しいのは車内の様子。長距離移動にそなえ、ゴザや枕を持ちこんでそれらを床に敷き、寝そべる人多数。食堂車もあれば車内販売もあり、ここで何十時間も過ごす人々の生活感がたっぷりなのです。


約40分間の走行を経て、ビエンホア駅に到着。ここから乗りこむお客さんが多く、車内へと押し寄せる人々の波をかき分けて降りるのに一苦労な私たちでした。降車後しばらくホームで様子を見ていましたが、やはり見送りの人々が多く、中には涙ぐむ女性の姿も見られました。遠くに行ってしまう親戚や友人とのお別れの場面なのだろうと想像し、この国の南北の長さ、国土だけでなく精神的な長さ(遠さ)をあらためて感じました。


ビエンホア駅の外に出ると、こんな感じでゴザがたくさん売られていることに驚きました。長距離移動に必須のアイテムなんだな、と。「10」と書いてあるのは「10000ドン」の意味で(下3けたが省略さています)、一枚約55円。ほぼ使い捨てなのかな… 実際にこれを買って列車に乗り込むお客さんも多いのだろうと、車内の様子から伺えます。

このあとはタクシーに乗り換え、先日行ってきたお馴染みのカトリック教会に、グループの皆さんを案内しました。神父さんに、ベトナムにおけるカトリックの立場のこと、そしてドンナイ省という土地のことなどをじっくり説明してもらいました。工業地帯として発展し、仕事を求めて全国から人が集まって来ているドンナイ省。グループの皆さんにとって、ホーチミンという大都会の暮らしとの違いを感じることのできる機会になったのではと思います。


ところで、やっぱり列車はいいなぁと、ひとりどこかへ行ってしまいたい気持ちになった私でした。

ど~こ~かと~おくへ~ゆ~きた~い


From Hem


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